kokodamのピアノ日記 vol.5

海と森が見える家に住み、ピアノを弾いています。日々思うこと、感じたことなど、綴っていきます。

「現代」って、何なんだろう?

モンポウのMusica Calladaを聴いていると、ちょうどその頃の、抽象主義の絵画を思い起こします。
「抽象主義の絵画」と言ったときに、私の場合、まず思い浮かぶのは、川端実の絵画。

川端実(1911-2001)は、自分とつながるところがあったり、共振・共鳴するところの多い画家です。
東京で生まれ、長くニューヨークで活動し、キュビズム・フォービズムといった潮流の影響を受けながら、抽象表現主義、そこから独自の作品世界を求めていった画家。

実はずーーーっと前にも、彼の「生誕100年展」が開かれたときに、このブログで紹介したこともあったんですが。


あらためて川端実の作品を見返してみると。
つまり彼の生きた時代、っていうのは、自分が生まれる前の時代から、自分が生まれた後の時代。
自分も同じ時を生きていた時代、っていうのがあるわけですね。

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自分が生まれた後の時代、1970年代、80年代、90年代…、その頃の作品って、自分がその時を生きていたから分かることだと思うんだけど、なんていうかやはり、その時代の、ファッションとかモードとか、デザインとか。そういうものと同じ雰囲気を持っている。
その時代の雰囲気、ね。

芸術って、まぁ当たり前のことかもしれないけどそういうものと切り離されるものではなくて、互いに影響を受けつつ、その中で生まれたり消えたりしていくものなんだろうな~、と。


けれどその中にも、筆致とか色使いとか。そこから見えてくるのは結局、「その人」なんですよね。
多分、ある時代の、ある環境の中で、鮮烈に感じて、求めて求めて求めていって、生まれたものが「それ」であって。

その時代の雰囲気の、姿を借りて。表現されるのは、その人の営み。


「現代」ってでも、今まさに私たちが生きている「今」って、「…イズム」とか「…主義」とか、そういう言葉でひとくくりにできるものが、ないですよね。
「流行」っていう言葉自体が、廃れている印象すらある。

多様性」ってのが、一番花開いているのが、「今」なのかな。


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