kokodamのピアノ日記 vol.5

海と森が見える家に住み、ピアノを弾いています。日々思うこと、感じたことなど、綴っていきます。

ポワニエ


こんばんは♪


「モノ書きピアニスト」である青柳いづみこさんの著作を、以前、何冊か買って、読まずに放置していたものがありまして。

その中で「ピアニストは指先で考える」という本、ちょっとした空き時間に読むのにちょうどいい感じのエッセーだったので、最近、ぱらぱら読んでみています。


今日、「ポワニエ」というタイトルのところを読みました。
「ポワニエ」って、聞いたことなかったんですが、スタッカートの一種だそうですね。


「まず、手首が鍵盤と同じ高さになるように、低い位置で椅子に座る。手首をきっかり90度ひきあげる。当然、前腕は緊張して手首に近いところの筋肉がもりっともりあがってくる。そのまま筋肉の緊張を瞬間的に解き、垂直に打鍵する。打鍵したあとは、すぐにまた跳ね上げて90度にもどす。」

へえ〜。


「脱力というのは、ただ力を抜けばいいというものではない。脱力は、どこかで体重を支えているからこそできることだ。・・・『ポワニエ』の場合は、前腕の筋肉を鍛える。ここできちっと支えをつくるから手首の力をぬくことができ、オクターブの連続でも何時間もくるくるとまわしていられるのだ。」

←ここの意味が、私、よく分からなかったんですよね・・・。
手首を90度にひきあげているときは、前腕の筋肉は緊張しているから手首にも力が入っているわけでしょう。
それに続いて前腕の筋肉の緊張を瞬間的に解き垂直に打鍵したときは手首の力はぬけているけれども・・。で、このとき支えているのは前腕じゃなくて上腕や肩まわり、じゃないの?かなあ。「前腕の筋肉を鍛える」っていうのは、「ひきあげる力を鍛える」ってことでしょう?「ひきあげる力」がつけば、あとはその位置エネルギーで「力を抜く」だけで弾けるってことなんだろうけれども・・・。あ、つまりそういうことを言っているのかな?


・・・と、弾けないくせに、ちまちま理屈ばっかりこねているワタシ。



で、「ポワニエ」、書いてある通りに真似してやってみました。
ムズカシ〜ッ!!全然できなかった!!
瞬時に前腕の筋肉の「緊張」と「弛緩」をくりかえす。できないよ〜!


しかし、それってどこかで聞いたことある、と思って思い出したのが、ホロヴィッツ
彼のレガートは指を延ばしたままのマムシ指の状態で弾いていて、演奏時の彼の前腕は独特の緊張下にあるように見え、打鍵のたびに超人的な勢いで緊張と弛緩が繰り返されていた、とは、酒井直隆著「ピアニストの手」に書かれてた内容。

ホロヴィッツの美しい音色を思い浮かべると・・、「前腕」って決して「悪者」じゃないってことなのかな〜と・・。
まあ、それには「超人的な」緊張と弛緩のコントロールがあってのことなわけですが。


コルトーやフランソワ、ハイドシェックなどは素晴らしい「ポワニエ」の持ち主だそうです。
「ポワニエ」、どんな音色になるのか想像もつきませんし、自分にはとてもできなさそうですが・・。
でも「前腕」についてちょっと見直してみるのも、面白いのかも、と思いました。



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